夏にある一番大きな大会といえば、やはりインターハイだろう。
正式名称、全国高等学校総合体育大会陸上競技大会。
……長い。
まぁ、そんなことは置いといて。
要するに、このインターハイで、私が進学できるかが決まることになっているのだ。
自分で言うのもなんだが、私は足が速い。県下では常に何かしらの大会で入賞していた。私が副部長なんてやってるのも、この成績によるものが大きい。
そのおかげで、スカウトの話もちらほら来ていたりして。
で、インターハイで結果を残したら、特待生として迎えてくれるところが出てきたのだ。
色々あって、授業料が免除になる推薦入学でしか大学に入れない私には、頑張らなければならない……はずなのだが。
「別に夜更かしだったり、低血圧だったりするわけじゃないんだから、朝ぐらい一人で起きれるようになりなさいよ」
雅の言うことは、いちいちもっともである。
そりゃ、私だって目覚ましを変えてみたり、早く寝るようにしたり、起きやすいように敢えて寝にくい体勢で寝てみたりと努力はしているのだが、一向に実る様子がない。
「だから、私には雅が必要なわけよ」
「あんたはねぇ……」
「溜息ばっかりつくと、幸せが逃げるわよ」
いや、謝るんで、世界史でやられた場所を狙うのはやめて下さい。
私の抵抗も空しく、キレのいいチョップが見事に脳天に突き刺さったのであった。
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