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2024/04/19 11:52 |
無題
さてさて、久しぶりの更新です。

いやー、最後に書いたのが夏だから、半年放置してたわけですね。

はい、もうちょい早く書きます。
車で進むこと十数分、ようやく目的地である病院にたどり着いた。


いやー、外の空気がおいしいったらないね。


近況やら何やらを適当とはいえ、いちいち応えなければいけない車内は苦痛でしかなかった。


さて、この病院こそがこの地域で唯一の、そして母が入院しており、ついでに伯父が経営している


病院である。


駐車場はそこそこに、このあたりでは珍しいコンクリート製の外観で、庭ともグラウンドとも取れる散歩道兼リハビリコースまで備えている。知らない人が見たら、学校あたりと勘違いされそうなほど、病院らしさが感じられない。


伯父は他にも用事があるのか、私を降ろすとすぐに車で行ってしまった。


去り際に何か言っていた気がしたが、そんなことはどうでもいい。脳が受信を拒否しました。


これ以上アイツのことなど欠片も意識したくないので、さっさと病院に入ることにする。


入り口が自動ドアであることに毎回感動する。こんなところまで電気が来ているのか、と。


「あら結衣ちゃん、久しぶり」


受付のお姉さんがにこやかに手を振ってくれる。


「はい、お久しぶりです」


私も頭を下げて、それに応える。


この病院の特殊性と、院長の姪という立場から、私は病院に勤めている人ほとんど全ての人から覚えられていた。まぁ、原因の8割はあの伯父なのだが。


この病院は、過疎地に建てられるには余りに立派で、入院用の設備が整っている。


というのも、この病院は一般患者はもとより、いわゆる「末期」の患者が入院する施設の側面も持っているからだ。


それ故、通常の病院以上に患者やその家族に対しての心配りが行き届いており、見舞いの者を覚えていたりするのもその一環だったりするわけだ。


その中でも、このお姉さんは年末まで母の担当をしていた看護師さんなので、お互いによく知っている仲なのだ。


「結衣ちゃんももう三年生なのよねぇ。受験勉強とかちゃんとしてる?」


ぐ、いきなりなんということをお聞きになられるのでしょうか。


「いや、前にも言いましたけど、スポーツ推薦を狙ってるんで、その、勉強はあんまり必要ないっていうか……」


「いやいや、勉強は大事よ?推薦が取れたとしても、卒業出来なかったら意味ないでしょ?」


「ギクッ。お、お姉さん、さすがに私もそこまでおバカじゃないですよ」


……一応赤点は回避してますよ。


「それに、ちゃーんとお母さんから聞いてるんだからね、成績のこと。2年の学年末、赤点ギリギリだったそうじゃない」


お母さん何で人の成績のこと吹聴してますかー!?


「あの、それは……」


「しかも、テスト当日に雅ちゃんに電話で起こしてもらわなきゃ遅刻確定だったらしいし」


「……え?」


「ふふふ、実は雅ちゃんとメル友だったりするのよ」


そういいながら、受付の奥で控えている薬剤師さんに「ねー」とか言ってるお姉さん。あんたもかよ薬剤師。


いくら田舎にあるとはいえ、入院患者の娘の日常生活が看護師の話題ってどうよ。


というかお母さんも雅も勝手に個人情報暴露しないでよ。世が世なら訴訟モノですよ?


「というわけで、部活もいいけど勉強もそこそこにね?」


「……はい」


私には、頷く以外の選択肢は残っていないのだった。うぅ、伯父とは別の意味で疲れる……。
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2009/01/24 00:07 | Comments(0) | TrackBack() | SS

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